澄んだ夜空に月が美しく輝く季節になりました。
今年、2011年の「中秋の名月」は9月12日(月)。旧暦の8月15日ですので毎年その日は変わりますが、今年は少し早めの十五夜です。
さて、十五夜の月は満月、というイメージがありますが、実は必ずしもそうではありません。まるい月ではあるのですが、少し欠けていることもあります。でも、今年は久しぶりに満月の十五夜です。
日本には古来から、中秋の日に観月を楽しむ風習がありました。今でも、月見だんごや里芋、ススキや秋草などを飾る習慣がありますよね。
秋の夜、虫の音に耳を傾けながら、お酒を片手に静かに月を楽しむ…風流だなぁと思いますが、街中に住んでいると、窓を開ければ車や電車の行き交う音がしたり、建物の影で月がかくれて見えなかったりと、なかなかゆったり月見を楽しむことができません。そのせいでしょうか、ことに都会では、お月見をする家庭が少なくなってきた気がします。
ところで、お月見の行事は中国や台湾などにもあります。日本のお月見はもともと中国がルーツといわれますが、日本のそれとは少し様子が違います。
中国ではこの日を「中秋節」といいますが、春節(正月)に次ぐ重要な行事で、日本とは盛り上がり具合が違います。
中秋節が近づくと、ランタンが飾られ、スーパー・デパートや露天、専門店まで、あちこちで月餅が売られます。月餅は、よく中華街などで見かけますが、中に餡や卵の黄身などを包んだお饅頭です(皮はしっとりしたタイプ、パイ生地のようなタイプなど、地方によっていろいろあるそうです)。中秋節を祝い、人々はそれを家族や友人、取引先などに贈ります。
そして、中秋節当日には、家族や友人が集まってにぎやかに食卓を囲みます。爆竹や花火も上がり、盛大に祝います。風流を愛でる日本のお月見とはずいぶん趣が違いますね。
台湾ではこの日、家族や友人とバーベキューをする習慣があるようです。中秋節には会社や学校も休みになるため、遠方に住む家族も集まってきたりします。
私も中秋節に台湾を訪れたことがありますが、家々の軒先で、にぎやかな食事がくり広げられていました。中央にバーベキューコンロを置き、周囲に椅子を並べて、お肉や野菜を焼きながら、大人たちは語り合ったり、子供たちは走り回ったり。
この習慣は台湾独特のようですが、なぜバーベキューをするのか理由をたずねたら、「中秋節の月はまるいでしょう。だから、家族みんなでまあるくバーベキューを囲んで食事をすることで、家族円満になるんだよ」とのこと。
そもそも、満月のようにまるい形をした月餅は団らんや円満をあらわし、「中秋節」自体にもそのような意味合いがあるようです。
折しも日本では、震災の経験を経て絆の大切さが見直されています。
今年の十五夜は、中国式のお月見を取り入れて、家族や大切な人と食卓を囲んで団らんを楽しまれてはいかがでしょうか。
テンプレートBANKのお月見アイテム
さて、テンプレートBANKには、お月見を描いたテンプレートやイラスト素材がたくさんあります。
たとえば、はがき。遠方にいて一緒に月は眺められないけれど、お月見の日にあわせて便りを送ってみたり。
A4サイズのデザインフレームは、月見の宴のメニューやプログラムなどにいかがでしょうか。
◆はがきテンプレート 「お月見と猫」
◆はがきテンプレート 「十五夜」
◆メニュー用テンプレート(A4デザインフレーム) 「お月見」
十五夜がすんでも、後の月といわれ観月の日とされた「十三夜」(2011年は10月9日)がありますから、ぜひご活用ください!