『何れ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた)』 この慣用句、耳にしたことはないでしょうか。
菖蒲(あやめ)も杜若(かきつばた)も、どちらも「アヤメ科」の植物で似ているため見分けが難しいのです。このことから、『どちらも優れていて優劣が付けにくい様子』などの意味で使われる言葉です。
その昔、源頼政(みなもとのよりまさ)が詠んだとされる歌が転じてできた言葉だそうです。
私も改めて調べてみるまでは、この「アヤメ科」の植物たちの見分け方を知りませんでした。
本当によく似ています。ここに、それぞれの特徴をあげてみます。
あやめ (アヤメ科アヤメ属)
生える場所:野原(乾燥地)、畑などにもよく見られます
開花時期:5月中旬~下旬
特徴:花びらに網目状の模様があります
かきつばた (アヤメ科アヤメ属)
生える場所:水湿地に生えます
開花時期:5月中旬~6月中旬
特徴:花びらの元に白や薄い黄色の「目」のような模様があります
愛知県の県花となっており、これは現在の愛知県知立市にて
在原業平(ありわらのなりひら)が「かきつばた」の歌を詠んだことに由来しています
はなしょうぶ (アヤメ科アヤメ属)
生える場所:湿地や水分の多い草地
開花時期:5月下旬~7月上旬
特徴:花びらの元に黄色の「目」のような模様があります
かきつばたに比べると、水分の多い場所であれば陸でも育ちます
ちなみに端午の節句に「しょうぶ湯」として用いられる菖蒲(しょうぶ)は、サトイモ科の植物でアヤメ科の植物とは異なります。
使われている漢字は、”あやめ” も ”しょうぶ” も同じ 『 菖蒲 』 と書きますから、ややこしく混同しがちです。
花はアヤメ科の花々とは違って、素朴な花穂がつきます。
葉の形状が「はなしょうぶ」と似ていますが、しょうぶは葉に芳香があることが特徴です。
薬草として漢方薬にも用いられています。
その爽やかな香りと薬効から「邪気払い」として、男の子にとって縁起のよい植物となったそうです。
また、葉の形が刀に似ていること から 『 尚武 』 の字も当てられ、武士のように偉く丈夫になるよう願いも込められているそうです。
それでは、無料で使える写真素材より「あやめ」の写真をご紹介します。
朝露をあびた美しいあやめの姿を収めた写真です。
◆ 菖蒲(あやめ)の写真 ◆
【サイズ(ピクセル)】2400 × 1600px
【ファイルサイズ】1070KB